昨日、地元新聞紙の朝刊を眠気眼で読んでいたが、一瞬にして目が覚めた。読者投稿欄に40歳代の現役農家が書いた、「いっそのこと、JAを身売りしてはどうか。」の文字が目に飛び込んできたからである。JAグループの組織再編がすすむ過程で、組織の「存在意義の確立と存立要件の確保」という命題は常に問われ続けていたが、「組織そのものの否定」的意見には正直衝撃が走った。
おりしも、今秋開催されるJA大会を控え、「大転換期に突入したJA」との情勢認識の下、「新たな協同の創造」による「農業の復権・地域の再生・JA経営の改革」に向けた組織討議をしている矢先のことだったからでもある。
短い文章であり、投稿された農家の実情も分からない中ではあるが、農家の目的は「農業生産活動を通じてより豊かで安定した生活を維持すること」であり、JA組織体制や事業方式はそのための手段に過ぎない。手段である以上、極論すれば「いかような選択肢も可」となり、目的達成のために効果的であれば、「身売り」を検討しても良いではないか、ということだろうか。
家庭・地域・組織の絆が弱体化する「関係性の崩壊」が指摘され始めて久しいが、「協同」とは「心をあわせ助け合って共に仕事をすること」である。市場原理・競争原理の良い部分は吸収しつつも、「農業協同組合」ならではの活動を、地道ながらもおし進めていくべきだと考えているのは私だけではないだろう。
少なくとも、JAを「利用先の一つ」とするのではなく、「おらが組織、積極的に関わり変革すべきは変革する」気概を持って活発に本音で議論する風土を、地域から醸成していきたいものである。
投稿した農家の方は、「販売力の強化や不良債権処理をスムーズに運ぶため」の解決策のひとつとして、「身売り」という問題提起を行ったものであり、「組織討議を尽くし、将来を見据えた『青写真』の作成が急務」というくだりが本音の部分であると、私なりに理解させていただいている。
未曾有の大転換期。言うまでもなく「従来の延長線上」には、求める「解」はないということを共通認識し、事に当たらなければならない。・・・と思う今日この頃である。
自称「よく『目的』と『手段』を混同する」人 武智
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