うちの奥様は仕事をしており、それがまた病院関係ということもあって、割と夜に家にいない時が多い。他の人に言わせれば、「羨ましい」と申される方もいるが、確かに気は楽なのだが、それだけではやっていけない。
どうしてかと言うと、簡単に言えば「食べるものが無い」のだ。結婚当初は作ってそれを置いていてくれることもあったが、最近はそれが無い。勤務が夜中ぶっ通しゆえ、少しでも長い時間身体を休めておきたいというのは分かっていたので、それについては私も特に突っ込んではいないのだが。
となると、自分で何か献立を考えねばならないのだが、如何せん男の料理。学生の頃に外食関係で厨房のアルバイトもしていたが、暫く自宅の暮らしに甘んじていたがためか、その腕は少々錆付き気味だ。それに、仕事から帰った疲れた身体で、手の込んだメニューを作る元気も無ければ、悲しいかな外食を続けられるほど、財布の中身も豊かではなく・・・。
そんなある種、八方の内六方くらいが塞がった状態にあって、ふと冷蔵庫を覗くと、そこにあったのが「めんつゆ」。野菜置場を見ると、タマネギ1玉にじゃがいもが数個。戸棚の奥にはツナ缶がひとつ・・・。それを見て頭に浮かんだのが、とりあえず煮てみるか・・・という、まことに安直な発想だった。
じゃがいもは皮をむいて乱切り。それを水にさらしておく。その間にタマネギをくし切りにして、ツナ缶の油を軽く切っておく。
じゃがいもを鍋で茹で、それに火が通ったくらいを見計らってめんつゆを投入。辛味が強すぎても美味しくないので、それが強いようなら水で少し薄める。
そこから5、6分ほど煮てからツナ缶を投入。良い匂いが鼻をくすぐり、お腹の虫が騒ぎ始める。まだじゃがいもが硬いので、おとしぶたをして、そこから水気をある程度飛ばすまではお腹の虫に我慢してもらい、根気よく煮込む。
煮崩れかけまで煮込んだじゃがいもは、箸を入れると「ほっこり」とした感触がした。良い具合に出来上がったようだ。
後で調べてみると、これを作っている人はかなりいるようで、ネットなどでもレシピが公開されていた。利点は手抜きに見えないこと・・・のようだが、確かにこれならそう見えないだろう。それどころか、ごはんが良く進む、良いおかずだと思う。
オチという訳ではないのだが、出来上がった煮物をテーブルに運んだ所で、肝心のご飯を炊き忘れていることに気が付いて、かなりの精神的ダメージを被った・・・という事実があったことだけを記して、締めとしておこう。
料理は段取り・・・ということを痛感した、そんな帰宅後のキッチンでのこと。
営業 じゃがいも大好き三十路男
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