大相撲の結果はいつもスポーツニュースで確認をするだけである。
ゴルフのトーナメントであれば結果が分っていても、ついつい何回も
チャンネルを変えて観てしまうが最近の大相撲は結果だけで十分であった。
しかし、初場所は違った。
何気なく1月11日の初日、朝青龍VS稀勢の里を観てしまったから、サー大変である。当然朝青龍が負けるであろう、引退への道を歩くのであろうとおもっていたら
俄然、面白かった。
館内の盛り上がり、奇声、野次、声援、誰がどちらを応援しているのか、アナウサーも解説者も観客も分らない。
私なんかは何か面白いことが起こるだろう、ひょっとすると殴り合いでも始まらないかと不埒なことを期待しつつ観ていた。
物凄い形相の朝青龍が腰を落としカメラ目線で右手を廻しにパシリと叩き塩を取る。
案の定なのか、意外にもなのか朝青龍が突き出したけれど、右からダメだしの一発を
見舞い、左まで突き上げるといった勝ち方であった。
仕切り前以上の大歓声が起こり波乱の2週間が始まった。
誰もが何時負けるのか、連敗してしまえと、引退しろといった正統派ファンから
ヒールを好む偏屈物までが好き勝手なことを言っていた2週間だった。
しかしながら、14連勝を予想した解説者もファンも居なかった。
予想できる訳が無い。
中日を過ぎても、10日目を過ぎても勝ち続けた。
今日は、明日は負けるのではないかと世間が勝手に予想をしても勝ち続ける。
期待を裏切る。だから面白い、ワクワクしてくる。
これこそが真のヒールである。
いよいよ、千秋楽結びの一戦。
立合、フワッーと立ってしまった朝青龍は白鳳にあっさりと土俵下に投げ飛ばされた。
やっぱり横綱には無理かと思ったが控え室に帰った朝青龍はへこたれていなかった。
若手を相手にぶつかり稽古、鉄砲と髪を整える時間も勿体ないくらいな感じで気合を
入れていた。
そして、あの優勝決定戦。
血管がはち切れそうな仕切り、気合ののり、凄い!!!
白鳳のほうが緊張感が切れていたのではないかと思われた。
勝負は圧倒的に朝青龍が攻めまくり、勝利を確信し味わっているかのような
土俵際の詰め。
股を割り重心を落とし、勝負をもっと楽しみたいかのようにさえ見える。
次の瞬間にガッツポーズ。(まあ、これには賛否両論あるでしょうが。)
方や悲鳴と怒号、そして座布団が飛び交う。
方や万歳、拍手、足踏み、そして体へのタッチと喜び方もいろいろ。
北の湖は全員が嫌っていた、貴乃花は全員が応援した。
こんなに両極端に、半々くらいで応援されることは初めてではないか。
どちらもファンなのである。
そのとき、以外にも、いやはや、朝青龍の目がみるみるうちに潤んできた。
まさか、あの朝青龍が涙ぐむなんて。
見ていた私までが(決してファンではないが何故か応援してしまった。)
うるうる来てしまった。
そんな自分に気付き、驚きしているとぼろぼろぼろぼろと涙が止まらなく
なってしまった。拭いても拭いても止まらない。
頭の中では、苦しみに耐え、もがき苦しむ朝青龍がいつの間にか自分になっていた。
こんなところは妻には見られたくないので必死に「こちらに来ないでくれ。」と願って
いた。何とか中継も終わりホッとしていると愛すべき可愛いバカ猫が不思議そうに
くびを傾け私の顔を見上げていた。
ヒールもビールも好きな奴
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