平成8年から10年間維持してきた食料自給率(カロリーベース)が、40%から39%に低下した。残留農薬問題やBSE等の問題で、国民の食に対する安心・安全意識の高まりの中での減少に少なからずショックを受けた。以前から、低すぎる食料自給率や贅沢で高コストな食生活は都度指摘され、官民挙げて対策を講じてきただけに残念でならない。
確かに、お金さえ出せば世界のあらゆる場所から多様な品物を輸入することは可能だが、中長期的には世界規模での食料不足が確実視されている中で、我々の胃袋の6割強を海外に依存し続けていいのだろうか? 国内に38万ha強(埼玉県の面積に匹敵)もの耕作放棄地を抱えながら・・・
輸入食料の規模は、ある試算によると「9000億トン・km」といわれている。国内の物流業界が担う食料を含む全物資の輸送ボリュームが6000億トン・km弱であるので、その生産と流通に費やすエネルギーの膨大さが一定ご理解いただけるだろう。当然、環境問題からも大いに気になるところである。
さらに、地球規模での水不足が懸念されている中、輸入食料を生産するために使用した水の量も見過ごすことができない問題となっている。例えば、食料1kgを生産するために必要な水の量は、牛肉で2万ℓ、玄米が3300ℓ、小麦で2000ℓといわれている。結果として、日本が間接的に輸入しているとみなされる水の量は、実に640億トンと試算されている。国内の灌漑用水の590億トンと比較していただきたい。
食料自給率が低下した今こそ、地球規模での食料と水・環境・エネルギー等の視点から総合的に検討を加え、次世代と共生可能な方向付けと行動を起こすべきではないだろうか。
自称「胃袋心配人」 武智
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