今日は私が学生時代にバイトして初めて買ったギター、S.YAIRI YD-304をご紹介します。
これを買った時は友人が持っていたモーリスやヤマハのギターを弾かせてもらって比べたのですが、S.YAIRIのギターのほうが格段に鳴っていたので即決でこのギターに決めた経緯があります。
もうかれこれ買ってから20年以上経ちますが大事に保管しています。
ただこのギターはマジックで落書きした跡があります。
ある時ギタースタンドに立てたまま仕事に行って帰ったところ真ん中の娘がマジックで落書きを・・・・・。
まだ幼稚園にも入っていなかったので怒る事もできず必死で布で消したのですが全ては消えず残ってしまいました。
でも今となってはそれもいい思い出。消さずに残しておこうと思っています。
このS.YAIRIブランドは国産ギターとしては珍しくプレミアが付いています。
購入価格の1.5倍くらいが相場でしょうか。
「YAIRI」というギターのブランドは実は2つ存在します。
一つは「K.YAIRI」。もう一つは「S.YAIRI」。
この二つのYAIRIの創業者は親戚同士であり元々は同族会社。
元々は「鈴木バイオリン」の職人であった 矢入儀市氏が1935年(昭和10年)に独立し、「ヤイリギター㈱”」を創業。
そして、長男の一男 (かずお)氏 が、現社長として 「K.YAIRI」を引き継いでいる。
儀市氏の弟、すなわち一男氏の叔父である貞夫氏が 1938年(昭和13年)に興したギター製造会社が「矢入楽器製造㈱」S.YAIRIなのです。
S.YAIRIは輸入ギターの代表的メーカー「MARIN」の忠実なコピーを目指して標準的なギターを作り続けたのに対し、一方のK.YAIRIは、革新的な楽器作りの分野にも進出したりで、両者のスタンスは全く別々だった。
S.YAIRIは'70年代デビュー間もない頃の井上陽水がS.YAIRIを愛用した事で知名度が上がっていき、その品質も高くなった。
70年代になってアコースティックギター人気に陰りが出てきてからはモーリスなどライバル会社のギターをOEM生産する事となる。
ところが、80年代に入りアコースティックギター離れがより顕著になった時期には次々とギターメーカーは倒産していく事になる。その中の一つがS.YAIRIであった。ちなみにその時期にはS.YAIRIの経営は創業者の貞夫氏から息子であり専務であった寛氏になっていました。
そういう状況下、創業以来コンスタントな出荷本数を維持し、80年後半以降のギター不況を生き抜いたのが、K.YAIRI。
その後、ゆずや山崎まさよし等の人気で再度アコースティックギター人気に火がついた事もあり、2000年に矢入寛氏は再度S.YAIRIを再興した。
しかしながらブランド名は名門のS.YAIRIではあるけど、寛氏は技術畑の経験がなかったため自らを 『監修』 という立場に置き、会社そのものは中国の 李氏 という人物に譲るという形をとったという事です。
その結果新しいS.YAIRIのギターのうち、10万円を切る廉価版については中国の工場での委託生産であり、一部の高級機種については 名古屋の ㈱寺田楽器製作所 に製造を委託しているという。
そういった経緯から一部の高級機種をその寺田楽器が担っているとはいえ、圧倒的に販売の主流となる廉価機種は中国製。
品質的にはけして悪いものではなく、コストパフォーマンスに優れているものの、哀しい事にショップでの扱いは「初心者お買い得セット」であったり、通販での格好の目玉とされているのが現状。逆にかつてのS.YAIRIの素晴らしさを知っている古くからのファンは、新しいS.YAIRIのギターよりも、ネットオークションを含む中古市場にて '70年代の機種を捜し求め、それらが高値で取引きされているのが現状なのです。
総務課 ギターコレクター
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