安倍内閣が発足した直後、日本農業新聞が「農を視点にした日本の針路」と題して識者3人の提言を掲載した。初回は数学者、藤原正彦氏であった。
昨秋発刊の「国家の品格」の著者でもある氏は、「百年単位の長期的視野で考えれば、食料問題よりももっと根源的な意味で、美しい田園をなくしたら、日本人の精神そのもの(『美しい情緒』に培われた鋭い感受性と独創性)が消えうせ、科学技術はいずれ駄目になり、工業立国も成り立たなくなる」。だから、「百年先を見て、品格の象徴たる美しい田園を、日本が大損しても、日本人の給料が半分になっても、農業を保護して保たなければならない」と提言されている。
将に本質を探究する数学者ならではの氏らしい「目から鱗」の明快な論点整理であり、私ども「農」に携わる者にとって有難く示唆に富んだ内容として読ませていただいた。私たちも、こうした日本農業の崇高な役割・進むべき方向を多くの良識ある方々と共有するため、もっともっと積極的に情報発信しなければならないと思う。
ただここで留意すべきは、農家・JAグループの私たちが「だから保護されるのは当然」とするのではなく、「だから今まで以上に意識的に頑張り存在意義を高めなければ」との「自覚と責任」による活動を基本に、国民的合意形成を図っていくことではないだろうか。
『農業は国の礎、安全・安心な食料供給は国家の責任』ではあるが、その第一主体者は私たちなのだから・・・・・。
ちなみに、藤原氏の提言と前後して日経新聞に掲載された東京大学・某教授の、経済合理性を基調とした「食料自給率」の記事と対照的だと感じたのは私だけでしょうか?
自称「率先垂範役」武智
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